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  3. 海外へ流出する日本のスポーツカー
スポーツカー

アメリカでは25年ルールというものがある。新車登録から25年を経過するとヒステリックカーの部類として扱われることで、排気ガス規制や関税の対象外なる。
また、アメリカでは右ハンドル車を認めていないが、この25年ルールのおかげで右ハンドル車の輸入を認めるという特別ルールだ。
そもそも、こうしたルールができたのは、ヨーロッパからアメリカ向けのヒステリックカーの輸入が、法的にグレーだったために設けられた。
その結果、2010年代から90年代を主体とする日本のスポーツカーの輸入だ。
スカイラインGT-Rを筆頭に、北米市場で未発売のモデルの人気が集まり、各世代のZがアメリカを元気に走っている。

日本のスポーツカーが人気の理由

どうして日本のスポーツカーに人気があるのかというと、ゲーム「グランツーリスモ」や人気カーアクション映画「ワイルド・スピード」が大きく影響している。
ワイルド・スピード・シリーズの顔であった今は亡きポール・ウォーカーが、スカイラインGT-Rとスープラを所有していたというのは有名な話である。
当時、ワイルド・スピードを見ていた世代の間で語り草となっている。

25年ルールによって高騰しそうな車種

近年、アメリカで注目されている日本のスポーツカーは、スカイラインGT-RのR33・R34、マーク2のJZX90・JZX100、オートザムAZ-1といったところだろう。
しかし、これらの車種が解禁されるのはまだまだ先である。つまりアメリカのユーザーは何年か先を見据えているということだ。

旧車を維持しやすいアメリカの気候

古い車にもかかわらず元気に走っている理由は雨が少なく湿度が低いアメリカの気候にある。西海岸では南カルフォルニア、内陸部だとネバダ州、ニューメキシコ州、テキサス州といったサンベルトと呼ばれる日照時間が長く温暖な気候により、日本車だけではなく各国の旧車が走っているのだ。
また、年式が古いからといって日本のように税金が高くなることがなく、日本の車検に相当するステートインスペクションの費用も安い。土地の価格も安いので、平均的な庶民の住宅でも複数台、駐車できるスペースがあうのだ。
そうした環境の中、旧車好きは日本のスポーツカーを大切に乗り続けている。
パーツについても、メーカーによる復刻パーツだけではなく、汎用性の高いさまざまな部品を扱うメーカーが複数いるなど、メンテナンスが安く済む。そもそもアメリカはDIYの文化があるので、自分でパーツを作るということも珍しくない。
このように、アメリカでは環境、税制面、住環境など日本と比べると車にとっていい環境といえるだろう。