軽自動車のスポーツカーは税金といった維持費が安くすむにもかかわらず、軽量小型でキビキビとしたハンドリングを味わえるなど、独特な魅力のある車である。
軽自動車にはボディサイズやエンジン排気量などの縛りがあるが、日本の軽スポーツカーは決められた枠組みの中で各メーカーが個性を発揮してきた。
乗り方次第で、普通車に引けを取らない加速を発揮でき、スポーティーなデザインは目を引くだろう。今回はそんな軽スポーツカーについて紹介したい。
ホンダS660
2022年3月に生産終了したホンダS660。実用性よりもスポーツ性に特化した軽スポーツカーだ。
2シーターのオープンボディで、リアミッドシップエンジンを搭載するS660は、1991年から1996年に生産されたホンダ・ビートと同じレイアウトながら、スポーツカーらしさを感じられる1台になっている。
生産終了のアナウンスとともに登場した最後の特別使用車「モデューロX バージョンZ」に予約が殺到。通常仕様も既に完売するなど、駆け込み需要が殺到したことで話題になった。
S660は自主規制いっぱいの64馬力を発揮する660cc直列3気筒ターボエンジンを座席後部に配置。後輪を駆動させるMRとなっている。
前後異径ホイールを採用し、トランスミッションは6速MTとCVTを選択でき、走る楽しさを追求した1台である。
ダイハツ コペンLA400K型
ダイハツの2代目コペンLA400K型は、2シーターの軽オープンカー。オープンカーでありながら剛性が高く、優れた安定性を確保している。
見た目はキュートながら、最高出力は64psと軽自動車の自主規制値いっぱい、全高1288mmの背の低さとホイールベースの短さで、キビキビした走りが爽快だ。
ホンダS660とよく比較されるが、ラゲッジスペースはコペンのほうが広いので、スポーツ走行から買い物まで扱いやすい1台となっている。
スズキ アルトワークス
2015年に15年ぶりに復活を果たした軽スポーツカーのスズキ・アルトワークス。8代目アルトの派生モデルとして復活を遂げた。
専用設計の5速MTとレカロ製シートを採用し、レバー操作・パドルシフトでのシフト操作を可能とした仕様となっている。
エンジンは64馬力と最高出力は一緒だが、最大トルクは10.2kgm(100Nm)を発生。670kgの軽量ボディで、数値だけで速さが期待できる。
サスペンションも専用のチューニングが施され、市街地走行では硬さを感じるが、スポーツ走行では頼もしさを感じるだろう。
軽くて速いという軽スポーツカーらしい王道の走りを堪能できるはずだ。