ホンダNSX(エヌエスエックス)はスポーツカーの中でも高い評価を受けているモデルの一つである。
NSXとは「New SportsCar X」の略称であり、革新的なテクノロジーと卓越した性能を組み合わせたパフォーマンスカーとして知られている。
初代モデルは1990年に発売され、その後のモデルも多くのファンを魅了してきた。
ホンダの顔となった初代モデル
F1参戦を機に「世界に通用するホンダの顔を持ちたい」という願いから始まった車である。
先進的な総アルミ製モノコックボディを持つミッドシップレイアウトの本格的なスーパースポーツとして、フェラーリやポルシェといった世界のスポーツカーメーカーに挑戦。
高性能でありながら、日常でも乗りやすさを兼ね備えた「扱いやすいスーパーカー」というコンセプトが支持されることになる。
初代NSXの技術力の高さは世界的にも好評を呼び、ホンダを世界的に認識された自動車メーカーになったのだ。
価格は販売当初1グレードのみで800万円(AT仕様は60万円高)に始まり、車両のバージョンアップ、装備の追加などによる値上がりによって900~1,500万円台となった。
欧米では2006年から始まる排ガス規制への対応が難しく、欧州向けは2005年9月末、北米向けは同年12月末、国内向けは2005年をもって生産終了となった。
短命に終わった2代目モデル
初代生産終了から10年近く経った2016年に2代目モデルが発売された。車名は初代と異なり「New Sports eXperience」からきている。
3モーターハイブリッドシステムを4WDと組み合わせる独自の「SPORT HYBRID SH-AWD」を武器に、電動化スポーツカーとして華々しくデビュー。
初代同様、扱いやすいスーパーカーとしながらも、性能面で大幅にパワーアップしている。
量産車のように生産ライン体制ではなく、米国でほぼ手作りで生産された。
2019年5月にマイナーチェンジを実施し、SH-AWDのハンドリング性能やデザイン面で更なる進化を遂げている。
結果的に最終モデルとなったNSX type Sは既存のエンジンに専用チューニングを施し燃焼効率を向上、高対燃材ターボの採用により過給率アップと冷却性能の向上により、エンジン単体の出力向上を図っている。
そのため価格は2370万円と日本で発売するホンダ車の中では最高値となった。
残念ながら、2022年末で生産終了の発表。初代が15年にわたって生産されたことを考えると短命に終わったモデルといえる。