スポーツカーは高額だ。
フェラーリやランボルギーニのような高級スポーツカーになると、家が買えるくらいなので走る不動産と例えられるほど。
でも、その価格にはきちんとした理由がある。その理由について解説していこう。
高級スポーツカーの価格について
まずはその価格について見てみよう。フェラーリやランボルギーニ、マクラーレンなど世間で高級スポーツカーと呼ばれる車は安くても2,000万円台、高いものは億越えだ。
フェラーリだとカタログモデル的な「488」ですら4,021万円。ランボルギーニ「アヴェンタドールSVJ」は5,670万円。
そして、世界最速といわれたブガッティ「ヴェイロン」の後継機「シロン」はなんと3億円超となっている。
数百億円かかる開発費を回収しないといけない
どうしてこれだけの価格なのか。それにはきちんとした理由がある。
高級スポーツカーはレースで勝つために作られたモデルをもとに一般道を走れるようにしたものが大半で、メーカーの最先端技術を惜しみなく投入している。
レースで勝つために車を売っているといわれるフェラーリになると年間600億円を超えるレベルだ。
F1チームの場合、年間100~500億円必要だ。レースにかかるお金は車だけではなく、エントリフィーや移動費、ドライバーやスタッフなどの人件費も莫大な費用である。
そのようなレースで得られた経験やノウハウを開発に活かし、より勝てる車づくりにつながっているのである。
中にはレースを前提しないモデルもあるが、ブランドに求められるスペックでないとユーザーは満足してくれないので、開発には費用や時間がかかるのは変わらない。
職人の手でハンドメイド
車一台一台にも強いこだわりがある。エンジンそのものを手作りしたりするなど、精度を高めるために職人的な作業が行われている。
大衆車はライン作業で製造される機械生産がメインだ。その一方で高級スポーツカーは職人による手作り。手間がかかるため、コストが高くなるのも当然だろう。
機能美を兼ね備えたデザイン
流線形の美しいデザインもスポーツカーには欠かせない。エンジンやタイヤの性能を引き出すために走行時の空気の流れを徹底的に活用しているのだ。
そのために莫大な時間を空けて風洞実験やコンピューターによるシミュレーションを行い開発している。
さらにデザイン性と性能を両立させるために、デザイナーが受け持つことが多く、その料金も発生する。
ちなみに高級スポーツカーは公式サイトに価格が乗っていないことが多い。また、ブガッティをはじめとした一部の高級スポーツカーは、その金額を持ってこれば買えるわけでもない。
購入者と面談したり、購入実績がある程度あったりといった一定の基準がなければ購入できない。
それは、徹底的に作られた高級スポーツカーはその価値を本当に理解している人に乗ってほしいというメーカーの気持ちの表れなのだ。